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完璧な人間なんていない。限界はあっても、可能性に終わりはない。思考も終わらない。留めのない思考の置き場

大滝詠一の「君は天然色」、一節から見る「過ぎ去った時、癪だけど今より眩しい」の切なさ

大滝詠一の「君は天然色」。 一見して爽やかな曲に騙されそうになるが、実態は、「喪失の苦しみ」を描いている。 松本隆が作詞している。 当時の松本隆は妹が病気で亡くなったばかりで、作詞どころではなかった。

それでも形にしてほしいと時間をかけてもいいと形になったのがこの曲だ。

歌詞の中の「想い出はモノクローム」はその時のどん底だった精神状況である松本隆の精神状況がかなり色濃く反映されている。

歌詞の背景を知る前から、曲が異彩を放っていることの違和感を私がメモを残していた。

「君は天然色」 別れが美しく見える瞬間。 想い出はモノクロームになる(=色褪せてしまう前に) 再び色を点けてくれ(=僕の寂しさを照らしてくれ) 爽やかな曲ほど、残酷すぎる。 軽快な曲ほど痛みを感じさせないようにできているけど、心を失った表現として魅せるなら亡くした現実を受け入れてないとも考えられる。解釈はいくつかあるけど。私はハイにならないと耐えられないほどの恐怖を感じている曲に見える。

実際に調べてみると、ほぼほぼ今の解釈と一致している。

歌詞は、「今よりも昔のほうが時が眩しい」ではなく「過ぎ去った時、癪だけど、今よりも眩しい」なのだ。 癪だけどの意味は後半の歌詞を見ていても分かる。 ハイトーンの曲から流れるこの歌詞は、「耳元で触れたささやきさ今も忘れない」程過去が染み付いて離れない。

これに対して、「取り戻せない怒り」が帯びていて、喪失を受けいられない苦しさがそのまま曲調に流れていく。

想い出はモノクローム、色を点けてくれ、もう一度ここに来て、華やいで麗しのColor Girl!

とくる辺り、現実の色を失った世界の中で歌では、常にハイなのだ。 レコーディングでは、サビを全音上へ店長する予定だったが歌詞を載せた時に違和感だけが残る。 そこでサビだけキーを下げた結果、転調は別の形で、再現されていると言える。

喪失の苦しみは必ずしも、静かでは表しきれない。

想い出はモノクローム、色を点けてくれ、もう一度そばに来て華やいで麗しのColor Girl!」

現実を忘れさせるほどのハイテンションでいないと狂いそうになる。 それが「癪になる」ほど。